異形花魁華屋敷の製作プロセスのようなもの


こんにちは、穴清水の清水です。

前作「座敷牢」の反省点として、漠然としたスケジュールの中
場当たり的に個人のスキルに頼る形で製作を進めていたという点がありました。
清水は前々から「システマティックな面から作品の質を向上できないものかなあ?」と思っていたこともあり
今回の「異形花魁華屋敷」は趣味としての個人製作とはいえ
もうちょっとマジメに製作プロセスから検討をすることを試みました。

以下がその製作プロセスの記録になります。


1. 製作プロセスの構築
穴も清水もアニメ製作の現場経験などはもちろん無いため、
参考にしたのはソフトウェア業界の開発プロセス。
一応清水はソフトウェア業界の人間なので、開発プロセス選定に際しては
作業規模も考え、とってもシンプルな「ウォーターフォール形」をベースにすることにしました。

まず作業工程を各工程に物理的なインプット/アウトプットがあることを条件として下記のように分別。

・構想フェーズ
・脚本フェーズ    
・絵コンテフェーズ
・動画コンテフェーズ
・動画製作フェーズ

ウォーターフォール形の作業になるため、後戻り作業は実施しないことに。
そのため各工程で出てくるアウトプットを穴と清水の二人で徹底的に工程移行レビューを実施し、
お互いが納得したら次工程に移行するという取り決めで、各工程毎にスケジュールの線を引き
声優、楽曲部分までを含めた計画を立てました。


2. 構想フェーズ
構想フェーズは最初の工程なのでインプットは無し。
(今回あえて挙げるなら穴が言った「シャム双生児でなんかやりたい」の一言)

作品のテーマ、方向性、表現方法、ストーリーを二人でだらだら話しあうのですが、
前回の座敷牢ではお互い意見がぶつかりまくりで大変な思いをしたので
円滑な家庭生活のためにも(?)話し合いはブレーンストーミング的な進め方で行うことにしました。

ブレーンストーミングは一般的な企業の会議で使うには時間がかかるうえに
意思決定には不向きではありますが、クリエイティブな作業を行う上では
時間が許される状況であるならばアイディアが豊富に抽出でき非常に効果的です。

お互いの意見を箇条書きのメモで残していきながら、さらに互いの意見に乗り
アイディアを膨らませる形でアウトプットとなる構想メモ書きが完成。


3. 脚本フェーズ 
構想メモ書きをインプットとして、このフェーズで脚本を作成。
メモはまとまりの無いバラバラなアイディアがただひたすら箇条書きに並べられたものだけなので
それらのアイディアを精査し、一つの完結したストーリーとして
場面展開、構成及び台詞を決定し一本の脚本を書き上げました。

さらに次工程に進む前に脚本を二人で徹底的にレビュー。
レビューでの指摘事項を修正してまたレビュー。
ここで致命的なミスがあると後半で取り返しのつかないことになるので徹底的にレビュー。

結局3回ほど脚本を作り直し、なんとか双方納得して
この工程のアウトプットである脚本が完成。


4. 絵コンテフェーズ
脚本をインプットとして絵コンテを作成。

まず簡単なキャラデザインとイメージイラストを何点か描いて
双方のイメージをすり合わせてから絵コンテの制作を開始。

絵コンテによって映像的アイディアが表現されるために
作品イメージがこの時点でかなり固まってきます。
レビューでは脚本では見えづらかった絵的な面のチェックが主になるため
絵で説明できている部分のセリフを削除するなど、
脚本フェーズでチェックしきれなかった部分の改善も行えました。

絵コンテも修正→レビューを何度か繰り返すことによって完成。


5. 動画コンテフェーズ
絵コンテをインプットとして、
FLASH上でラフなアウトラインだけの絵をすべてタイムラインに配置。
この時点で尺も確定し、曲、効果音、音声のタイミング合わせもここで行い
作品の方向性を全て決定。

完成したら毎度のごとく徹底的にレビュー。

なお、ここでのセリフは穴清水の二人でアテレコした仮音声。
声優さんたちにはより作品の雰囲気を理解して声をあてて欲しかったこともあり
ここで作成したラフな動画とテキストに書き出したセリフを送り、声をあてて頂きました。


6. 動画製作フェーズ
動画コンテをインプットとして完成動画を作成。
やはり一番時間がかかるのがこの工程ですが、
動画コンテの存在のためにここでの作業量が把握しやすかったのは助かりました。

ちなみにほぼ全てラスター絵で作りこんだため、全てのシーンで
紙に鉛筆で下書き→ペン入れ→スキャン→Photoshopで彩色→FLASHに取り込み
と手間がかかりまくりました。(動画シーンも同様なので部屋の中が紙だらけ)

またこの工程は期間が長いため、レビューはデイリーで実施。
その日できた分をその日のうちにレビューして、その日のうちに指摘事項は修正。



全部のシーンが完成後、AfterEffectsで編集及び、簡単な効果をつけて完成。


7. まとめ
こんな感じで作られた異形花魁華屋敷ですが
本職の方から見たらプロセス的な改善点も多くあろうとは思います。
そのあたりは生暖かい目で見ていただき、こっそり指摘/指導など頂けたら幸いです。